カテゴリ: 不動産登記
平成24年10月森林、山林を譲渡、相続等により取得した場合、土地の所在する市町村の長へ届け出が必要になりました。ほとんどの山林が対象となり、取得後の届け出期間も決まっています。当事務所でも所有権取得前から、市町村に事前確認し、所有権取得後に直ちに届け出しております。
土地の売買による所有権移転登記の登録免許税が上がりました。土地の固定資産税の評価の13/1000でしたが、15/1000の税率に変更されました。
愛知県内の新築建物の保存登記の登録免許税につき法務局の認定評価額が3割以上上がりました。名古屋市内の場合、木造、居宅で従来は、㎡あたり63000円でしたが、㎡94000円になり3割以上高くなりました。
20年間支払った住宅ローンの支払いが、終わり、やれやれと思っていたら、銀行から抵当権抹消登記をしてくださいと言われて、抵当権解除書類をもらうことになります。費用は、収入印紙代、司法書士報酬を含めて、普通は、18000円以内で収まると思います。
しかし普通でない場合が結構多くて、約3分の1くらいあります。たとえばローンを組んだ時と現在の住所が違う場合は、抵当権抹消登記の前提として住所変更登記をしなければなりません。その場合は、さらに15000円くらいは多くかかります。
そのほかでは、名古屋市名東区の、あるマンションのように土地が10筆くらいにまたがっている場合、登録免許税、と収入印紙代の実費だけでも2万円以上かかることもあり、司法書士報酬をいれたら4万円、住所変更登記があれば、さらに3万円、4万円余分にかかるマンションも時々あります。
不動産の持ち主が死亡した場合は、抵当権抹消登記の前提として相続登記をしなければなりません。この場合は、登録免許税や司法書士報酬で10万円以上かかりことが想定されます。土地建物の面積や相続人の事情により、大きな住宅だと、何10万円以上、かかかる場合もあります。
不動産の所有権や債権に関する権利の登記で、従前は、登記済み証という書類が法務局から交付されていましたが、現在は、登記完了後に登記識別情報という書類が交付されます。
この登記識別情報通知には、秘密の12桁のパスワードがシールによって目隠しされています。このシールが簡単に、はがれません。上手にはがれなかった場合は、ビリビリになって中のパスワードを見ることができません。
不動産の売買をする際に不動産の数が20筆もあると所有者2名と抵当権設定、さらに抵当権移転もされていて債権者が3社の場合、合計100通のシールをはがすことになります。
さらにコピーしたりして、この作業を慎重にしなければならないので、これだけで1時間以上かかってしまいます。なんとか改善してほしてシステムです。
建物が完成して最初にする建物の登記を表題登記と言います。建物の所在地、構造、床面積、種類、新築年月日、所有者を登記します。
現況を確認するため法務局の現地調査がされます。毎年12月20日以降は、現地調査をする日が少ないので、表題登記を完了することができません。表題登記が完了して家屋番号が設定されるので、表題登記後にする権利の登記、建物の所有権保存登記、抵当権設定登記等は、家屋番号が確定できないので申請することができません。
不動産の登記で登記権利者と登記義務者という言葉が使われます。所有権移転、抵当権設定、抵当権抹消、根抵当権変更、所有権移転請求権の仮登記等たくさんの種類の登記があります。
登記の目的によっては、単独で登記を申請する事例もありますが、AさんからBさんへ登記原因を贈与として所有権移転する場合、登記上は、AさんBとさんとの共同申請になります。この場合にA、Bさんの二人のどちらかが、登記上で利益を受ける人になりますが、この場合だとBさんが登記権利者でAさんが登記義務者ということになります。
住宅ローンの抵当権抹消の場合は、担保が抹消されてしまうので、銀行が不利益となり所有者が利益を得るので所有者が登記権利者となります。
15年くらい前は、貸付金利が下がっていったので、住宅金融公庫の金利が5.5パーセントとか、結構、今では高い金利で借りていた方々の、ローンの借り換えが一か月に何十件とか、抵当権設定と抵当権抹消の案件がありました。
2、3年前ころも、まあまあローンの借り換えがありましたが、ここ最近は、そのような案件は、減りました。昭和の初期でも抵当権設定という仕事があり、遠方の田舎の方ですが、抵当権設定など抹消されずに平気で残っていたりします。
都会では、考えられませんが、地方公共団体が道路拡張のために収用して名義が○○県となっている物件も、従前の売り主の抵当権設定がついたままでした。現実に乙区の担保権者が、競売をかけてくる物件ではないのでしょうが、県の道路になり、誰かに売却される物件ではないので、○○県も気にもかけずに、そのまま収用したのだと思います。
住宅ローンを借りている人が病気などで死亡した場合や生命保険金で住宅ローンの残債務が返済された場合も含めて、ローンの支払いが完済した場合は、銀行等から返済につき解除書類を郵送または、直接交付されます。
この書類を受け取った後で、それらの書類により抵当権抹消登記をしなければなりません。抵当権抹消登記を法務局へ申請してすべてが終了します。ご主人さまの死亡による相続登記の手続きのため登記簿等をチェックしていると、抵当権設定登記がされたままなので、奥様に『ローンの返済は、今般の相続により生命保険金等で支払われて、終わっていますよね。』と聞きますと、『10年前にとっくに完済しています。』と答えられます。
銀行等から送付された書類をよく読むと、『これらの書類により法務局に対して3カ月以内に抵当権抹消手続きをしてください。司法書士に依頼された方が間違いなく完了できます。』などと書かれています。
でも、書類を受け取れば、これですべて終了したと思う人が多いのです。銀行の人も、何らかの説明をされるし、司法書士を紹介する場合もあると思いますが、一生に一回のことなので、何人かの人は、よく理解できないのだと思います。
何年か経ってから抵当権抹消するのは、書類が紛失していたり、銀行も再編されていたり、書類の再発行の場合は、いろいろな書類を要求されます。時間も費用も当然、ほとんどが余分にかかる場合が多いです。住宅ローンの返済が終わった場合、生命保険により弁済され返済が終わると思われるときは、その後に必ず抵当権抹消登記をするのだと記憶して下さい。
平成20年1月1日から21年12月31日までの予定で①不動産の所有権の保存、移転、抵当権設定及び②株式会社等の設立につきオンライン申請をすることにより登録免許税が5000円を上限に1割減額されます。所有権保存(建築後、最初にする建物の権利の登記)は、新築で居住用の場合は、減税となりますので仮に減税適用後に登録免許税が12000円としたら1200円が控除されることになるのでしょう。株式会社設立の場合は、登録免許税が15万円から5000円が控除されて145000円になるということです。詳細は、又お知らせします。
従前に住宅金融公庫から融資を受けていて返済された人が、返済により抵当権抹消登記を申請する場合、司法書士に依頼せずに自分で抵当権抹消登記申請する場合に、前提としてその抵当権を独立行政法人住宅金融支援機構という長い名称の法人へ移転(抵当権移転)しなければなりません。金融機関から抵当権抹消等に関する一切の書類を渡され、その段階で抵当権移転登記がされていない場合、その独立行政法人住宅金融支援機構への抵当権移転登記だけは、近くの司法書士へ依頼されれば、抵当権移転費用は、その司法書士が完了後に直接、関係部署へ請求します。ご自分では、その後に抵当権抹消登記だけ申請されれば良いでしょう。
仕事で中国へ居住している人は、不動産の売却や、金銭消費貸借による抵当権設定登記する場合、又当然、前提として同時に住所移転登記も必要となりますが、印鑑証明書や住民票が日本で取れませんので委任状、住所移転を証する申述書、売渡証書、抵当権設定契約証書に中国の日本の領事館で本人の署名証明を受ける必要があります。又住民票に相当する居住証明書も必要となり、事前に金融機関、当事者等と打ち合わせをしながら手続きを進めることになります。
名古屋法務局管内の法務局出張所は、8月20日をもって9割が不動産登記オンライン指定庁となります。残りは、名東と東海と瀬戸です。当然今後は、全部の法務局で権利書というものが発行されません。権利に関する登記識別情報を権利者に渡す場合、『12桁の英語と数字のパスワードがシールで目隠しされています。これを、、、、』説明するのですが、一般の人には、興味のないことであり、司法書士が立派な表紙で権利書っぽく表装しているので、それが権利書だと思うでしょう。10年後は、もっと改善されているのか、問題点がたくさん出るのでしょうか。
平成19年4月1日不動産登記規則が改正実施されました。法務局に対して登記識別情報(秘密のパスワード)の提供をせずに『登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明書』の交付を求めることができます。(以下の2行、委任状、印鑑証明書が不要という項目につき司法書士前田先生のご指摘により当職の誤解であり削除します。)登記識別情報に関する有効証明の請求ではないので、権利者の委任状、印鑑証明書の添付は不要です。有効証明書の交付請求については司法書士会も全国銀行協会も司法書士の場合、印鑑証明書、委任状の添付不要を希望する旨を法務省に要請していましたが、まだ実現はしていません。住宅等の売買のとき売主の抵当権抹消につき銀行等金融機関に対して、事前に印鑑証明書付きの委任状を請求することが、まだ実務業界全体には行きわたっていませんし銀行本店頭取印を押捺し、委任状を発行することは、銀行側も困惑しますし、事務負担も増えますので時間がかかり、現実に、この半年くらいは司法書士も銀行等を信じて臨機応変に対応していたと思います。この不失効証明書が出ることにより登記識別情報が有効である(パスワードが間違っていない)とは、断言できませんが相手が信用のある銀行等の場合に限っては、少しでも前進した結果だと思います。不失効証明の種類は大体次の2種類です。
まもなく、近年中に登記識別情報の有効証明を請求する事例が増えてくると思いますが不動産の受渡し時に売主の抵当権抹消(銀行4行)につき受渡日の1週間前に売主の抵当権抹消、買主の所有権移転、抵当権設定の依頼をされた場合に、売主側の抵当権抹消につき、その抵当権設定が平成17年以降の場合、有効証明請求の委任状を銀行に印鑑証明書つきで要求しなければなりませんが、銀行の支店でも多分、即日に印鑑証明書つきで委任状を交付してくれないと思います。どうして印鑑証明書付の委任状が必要なの?と思う人も、まだ多いでしょう。当方にも最近、銀行の人から、ある司法書士から印鑑証明書付の委任状が必要だと言われたが、どんな事例でしょうかと、質問がありました。1週間(実質5日)で4行もの登記識別情報の有効証明を確認しなければならない場合、はたして間に合うのでしょうか、費用も確実に余分にかかるでしょう。
第三者のためにする契約
乙が売主甲から不動産を購入し、その際に売買契約書の中に甲は、乙の指定する者に売却する旨の合意と移転時期に関する合意が明確にされており、指定された第三者である丙が甲に『受益の意思表示』をすると甲から直接丙に対して所有権移転することになります。
買主の地位の譲渡
甲と乙との売買契約で不動産の所有権が甲に留保された状態で甲から乙の購入する権利、地位を丙に譲渡することを、乙と丙とで契約を交わし、甲がこれを承諾すると甲から直接丙に対して所有権移転することになります。
平成19年1月民事局第二課長通知が出ました。
結論は、上記の2つの契約事例では、甲から直接丙に所有権移転登記することができる。概略は、『乙が所有権を取得したのち、第三者へ売却する。』という文言がなければ中間省略登記には該当せず、甲から丙へ直接に所有権移転登記ができます。
取得原因が代物弁済とか譲渡担保、信託とかで所有権移転されている不動産を現在の所有権登記名義人(売主)から誰かに売却する場合、その不動産は適正に取得されたのか、清算してあるのか、債務を返済し、譲渡担保が抹消され従前の本当の所有者が現れるのではないかとか、いろいろ考えます。
1月24日不動産の受渡しで広島まで行きました。名古屋駅から片道2時間20分でした。10時頃の、のぞみで、出発し、休日ではないので広島で2時間くらいいて、名古屋駅に帰ったのは、4時45分でした。グリーン車に乗せていただき感謝しております。いつか山口や島根もゆっくりと遊びに行きたいと思います。
平成17年不動産登記法が改正され真正なる登記名義の回復による所有権移転登記ができなくなったのでしょうか。不動産登記法の改正前は、競売で取得した物件でさえ、登記するときに間違えた所有者で登記を受けてしまった(購入資金は別の人が出していた)ということで真正なる登記名義の回復を原因として別の人への所有権移転登記申請もできるということになっていました。
改正後は、名古屋法務局では、受理したくない考えのようでした。しかし東京法務局では、従前通り真正なる登記名義の回復による所有権移転を受け付けていますし、登記原因証明情報を提供する場合に真正なる登記名義回復しかありえない現実の状況を記載し登記官がやむを得ないと判断した場合、名古屋法務局でも受理されています。
登記官は内容が不明なとき、形式的ではなく、実質的にも調査する権限もあるからです。現実の問題では、中間省略登記は禁止(売買契約による登記原因証明情報の提供をする司法書士は中間省略登記を申請することが不可能であり、第三者のためにする売買契約があったとか事実を曲げて登記原因証明情報を提供することも当然不可能であり)となっていますが、中間省略登記ができないので直接第三者へ真正なる登記名義の回復による所有権移転登記(公序良俗違反、通謀虚偽表示とか税法上の課税の問題を何も考えずに)を申請する人が現れるかもしれません。
司法書士は、注意深く売買契約書を確認して事実関係を把握して現実の登記を申請するしかないと思います。
今後の登記手続きでは、登記済証(権利書等)の交付の代わりに『登記識別情報通知』が交付されます。これは、12桁の数字とローマ字で記載された秘密のパスワードです。
不動産の取引や銀行で融資金につき抵当権設定するとき、また抵当権抹消するときでも、そのパスワードである『登記識別情報』が正しくなければ権利の移転、変更、抹消等できなくなります。
事前に法務局に対して『登記識別情報』が間違っていないかを確認する作業が『登記識別情報の有効証明請求』です。
司法書士が売買に関する登記や抵当権設定登記に関して不動産の所有者本人に面談調査のうえ本人が適正に所有権を取得した過去の事実、経緯並びに売却意思や抵当権設定意思を確認し、間違いなく本人の所有する不動産である旨を法務局へ情報提供することを特別に狭義で『本人確認情報の提供』といいます。