1年くらいかかって遺言する内容を熟慮し、遺言書を公正証書や自筆証書で作成しようとする当日の朝、少し遠くに離れて疎遠になっていた子供から、『自分は、元気でやっているから、大丈夫。身体に気をつけてね。』と偶然にも電話があった場合、親は、子供のその一言で遺言の内容を変えたいと思います。
いつも一緒に住んでいて面倒を見てくれる子供のために少しでも有利に遺言をしたいと思うのも親の気持ちなのですが、うまく心が通じなかった子供でも、やはり親子なので、ちょっとした言葉のやりとりで、全く違う遺言が1日で出来てしまうことがあります。
遺言をして1か月で気持ちが変わって、別の子供の一言で遺言の内容を変更されることは、良くあります。過去の10年間くらいの状態を考えて遺言を変更したい気持ちを少し保留すると、変更しなくても良かったという場合もあります。一番新しい遺言が有効だとしても何回も遺言を変更されると遺言者の本当の気持ちがわからなくなります。