相続人の中に未成年者が含まれている場合、相続財産の分割をする際に法律行為を未成年者がすることができないのでその親権者が代わって法律行為をします。
しかし相続で、父親が死亡したときは、親権者である母親が自分と未成年者のために一人で分割協議をすることになってしまいます。母親が未成年者に不利になるような遺産分割協議はしないと思いますが、法律上は、その未成年者に代わって法律行為をする特別代理人を家庭裁判所に選任申し立てをします。
母親とその未成年者に代わって法律行為をする特別代理人とで遺産分割協議をします。親権者と未成年者、又は未成年者と他の未成年者との間で利益が相反しますので、未成年者が2名の場合は、特別代理人2名の選任が必要となります。
特別代理人は、未成年者の不利益にならないように法律行為をしなければなりません。実際には未成年者の祖父、祖母、伯父さん、叔母さん等が特別代理人の選任候補者となります。遺産分割協議の内容も未成年者にかなり不利益になる(未成年者の相続財産の取得分が法定相続分より少ない遺産分割案の場合)ような内容であると、特別代理人の選任審判も決定しません。
銀行預金でも未成年者名義にしなければならない場合もあります。未成年者の銀行預金の引出、振込についても、親権者が代行するときに銀行から各種証明書を要求されるし、未成年者が5歳くらいであれば、銀行預金等は、全部親権者名義にして管理したいのが実情だと思います。
Aさんの事例、10年くらい長い間、借りたり返したりしながら借金残高が約100万円ありました。最近の借り入れも毎月1万円から2万円くらいを継続している状態で、何十万円もの借入がなく返済額の方が多かったので、利息制限法に引きなおして計算しましたら100万円近くの過払い金となりました。7年以上貸金業者と取引があっても過払い金が発生しない事例としては、貸金業者は、何十万円もの借金残高がある人に何十万円も追加で貸しませんが、Aさんのように現実に貸金業者へ返済する必要がなくなっている場合は、貸金業者も名目上の貸金残高が50万円あっても、現実に貸金残高がないことは当然分かっているので、仮に『50十万円貸して欲しい』と言われれば50万円くらい貸してしまう可能性もあります。結果として名目上の借金は100万円になってしまいます。債務整理の直前に何十万円も借りていると、利息制限法に基づき計算しても返済債務が残る場合もあります。50万円借りたお金が、手元に残っていれば、貸金業者へ返済できますが、使うために借りたお金なので、すでに使ってしまって手元には絶対に残っていません。貸金業者へ分割返済の協力を要請することになります。
8月第3週末に愛知県半田市、中心部を散策しました。お酢の工場があり、あたりは、お酢のにおいが立ちこめています。運河も整備されていて、とてもきれいでした。黒い建物が続く工場や蔵の情景を子供が写生をしていました。日中は日差しも強く路面から上がってくるむし暑さは海に近くても名古屋と変わりません。
以下は、平成19年の愛知県司法書士会の研修会、講師、浅井知子会員の「困った遺言」研修用レジュメから引用しています。『民法では、遺言の様式として、自筆証書遺言が認められているものの、専門家が関与しないで作成されたものの中には、自筆、作成期日記載、署名、押印の形式を備えず無効とされるものもあれば、形式を備えてはいるものの、その内容については、明確さを欠くがゆえに、せっかくの最後の意思が実現できなかったり、相続人間の紛争を避けるために遺したにもかかわらず、紛争の火種となってしまうものが少なくない。』『無効な遺言が使用できないのはもちろんだが、不明確な内容の遺言を使用して、被相続人の意思実現をするには、相当な困難がつきまとう。
遺言中の表示によっては、相続人、指定財産等が明確に特定できない場合などは、その程度如何では、疎明資料をもって不動産登記等を実現できる場合もあるが、第三者が客観的に判断できない場合、「遺言の解釈に当たっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探求すべきものであり、遺言書が・・・・」との判例にのっとり、遺言に依拠しようとするならば、裁判によるしかない。さもなくば、遺産分割協議をするしかなく、遺言者の意思が、まっとうされないおそれが大きい。』『最後の意思の実現を確実とするためには、遺言書作成について、専門家を関与させることが肝心であることを、改めて思う。保管の問題や相続人間の疑心を払拭するためには、公正証書がさらに望ましい。念には念を、である。』