不動産、会社・法人登記、遺言・相続の司法書士・行政書士 水野高志事務所。名古屋市名東区猪子石三丁目201番地 TEL052-776-5502

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・会社法施行後の商業登記の現状

会社法が平成18年5月に施行され半年経過しました。当事務所でも株式会社、有限会社につき下記の手続きをさせて頂きました。当事務所での現在の状況は、概算ですが次の通りです。

取締役会、監査役を非設置
商法では、役員が取締役、監査役は、最低でも合計4名必要でした。本来なら2名くらいで十分なのに役員として親族の名前を借りている場合もあったと思います。会社法 施行後、役員を減らす取締役会、監査役を非設置にする手続きは、一時的とは言え登録免許税を含めて余分に何万円もかかります。現在では全社の2割くらいの会社が非設置だと思います。何年か経過 後、跡継ぎがいないとか、他の会社も役員を減らしているとか、名前も借りられないとか実際に減らす事由が生ずれば非設置となって行くでしょう。現状維持の会社が多いです。役員任期も2年、4年が6割くらいでしょうか。
有限会社から株式会社への移行
8割くらいの有限会社が株式会社へ移行すると思っていました。これも手続きに費用がかかる以外にすべての印刷物、事務用品、銀行の手続き、官庁の手続きなど長い間、有限会社でやってきたことを株式会社に変更するには膨大な費用、手間がかかるのが原因だと思います。2、3パーセントくらいの有限会社が株式会社へ移行したと思います。現実には4、5社だけ変更しました。
株式の譲渡制限が設定されていない会社
昭和50年頃より前に設立された会社は『当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要する。』旨 の規定が定款に入っていない場合があります。本年10月末日までに会社法による監査役の更新(業務監査できる監査役とするため新たに監査役を選任)を完了しなければなりません。当方が知らないだけで、会社側は、監査役の更新を完了しているかもしれませんが、5パーセントくらいの会社は、まだそのままかも知れません。監査役の更新は、当然しなければなりませんが、同時に公開会社のままか、この際株式の譲渡制限を設定したり、役員を減らしたりする手続きを同時に進める必要があります。
株券の不発行
会社法施行と同時に強制的に登記簿に『当会社は、株券を発行する。』旨の記載がされました。会社法施行後に設立された会社は、最初から株券不発行会社ですが、従来の会社は発行していなくても発行会社です。実態に合わせて株券を発行していない会社は、株券不発行登記すべきですが、一時的にもやはり費用が何万円もかかるのと、何十年も前の会社設立は、7名の発起人1名の募集株主が必要でしたので名義株(他人の名前を借りる)もたくさんあり、株の価値も上がり複雑な状況になっているのでしょうか、やはり8、9割くらいの会社が株券の不発行手続きはしていません。

 

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